「神山アートホテル」(たった9日間の臨時営業) | Art Autonomy Network

「神山アートホテル」(たった9日間の臨時営業)

「神山アートホテル」(たった9日間の臨時営業)

 

平成30年度(2018—19)徳島県の「とくしま回帰」助成事業の一環で徳島県神山町の民泊施設をアートホテルに変身させるプロジェクト「神山アートホテル」を開催します。

 

「神山アートホテル」は、たった9日間の臨時営業で終わってしまうゲストハウスです。このアートホテルは、美大生を中心にした東京からのグループ8人が短期滞在しながら現地で制作した作品を公開するもの。通常の展覧会とは異なり、民泊を体験しながらアート鑑賞が可能になる新しいかたちのアートプロジェクトといえるでしょう。発端はゲストハウスオーナーの中谷秀久氏からの打診で話が進み、学生たちの意欲によって実現していくプロジェクトになります。

 

本プロジェクトの中心メンバーは、東京藝術大学彫刻科と武蔵野美術大学芸術文化学科の学生有志の6人で構成され、2019年2月の約一カ月間、現地で滞在しながら民泊施設をアートホテルに変身させていきます。舞台となる施設は、現役のゲストハウス「佐良家」という民泊施設になります。それは、徳島県神山町で150年を超える古民家として茅葺の屋根をブリキで覆った馴染みのある姿の木造家屋といえるでしょう。現在は、農家民泊として地元食材や新鮮野菜を使った朝ごはんが提供されることでも知られています。神山アートホテルでは、この「佐良家」オーナーの手作り朝ごはんをそのまま継承していきます。

 

本プロジェクトの事前視察のため、2018年10月末に学生たちと神山町を訪れました。神山は、徳島県の自然豊かな山間部に位置し、太古の昔から神々の里として知られる歴史的な聖地として有名です。短い滞在のなかでも「焼山寺(四国巡礼12番札所)」、「鮎喰川」、「神通の滝」、「大銀杏」、そして江田や大久保の棚田など明光風靡な自然や文化を満喫しました。そのなかで神山の特徴となる素材探索を行いました。町内の製材所で杉板を注目したり、特産物である青石のある川沿いを散策したり、阿波紙や藍染めについて見聞しました。また、新規移住者たちが開店したカフェやレストランで食事をしたり、大粟山に点在する野外作品(神山アーティスト・イン・レジデンスの過去作品)を見学したり、ベンチャー企業が拠点を設けている「サテライトオフィス」を訪れるなど、積極的に神山町で展開している数々の業績を体現しました。そのなかで多数のリノベーション物件によって町並が生き返っているようすを目前にしました。若者たちが、古い木造空き家を自分たちの手で改装や改築を行い、それぞれ生活の基盤となる住まい、店舗、企業などに活用している様子は、同世代として大きな刺激を受けたことでしょう。これらの体験はアーティストたちに大きな発見や刺激を与えたことは間違いなく、本プロジェクトの創作プランに確実に反映されていくことでしょう。

 

本プロジェクトのプロセスは、「神山アートホテル」のホームページやブログ、SNSなどで展開していきます。こうした広報活動においても学生たちが先導して進行しています。同時にチェックしてください。

 

「神山アートホテル」は、9日間の民泊施設として期間限定の運営をしながら、アート展を堪能できる施設になります。東京の学生たちは、既成のゲストハウスをアートによって新しい空間に生まれ変わらせることができるでしょうか。ぜひご期待ください。

 

≪プロジェクトメンバー≫

植松美月(東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程1年)アーティスト

木村知史(東京藝術大学美術学部彫刻科3年)アーティスト

轟木麻佐臣(東京藝術大学美術学部彫刻科3年)アーティスト

溝口さつき(東京藝術大学美術学部彫刻科3年))アーティスト

村岡佑樹(東京藝術大学大学院美術研究科研究生)アーティスト

ホンジウン(武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科4年)アシスタント・キュレイター、広報

 

本郷芳哉(東京藝術大学彫刻科非常勤講師)アーティスト/クリエイティヴ・ディレクター

嘉藤笑子(武蔵野美術大学芸術文化学科非常勤講師)代表/キュレイター

 

《プロジェクト概要》

タイトル:神山アートホテル~民泊インスタレーション~

神山ホテル開業日:2月23日(土)~3月3日(日)

※期間中に休みなし

宿泊料金:5500円(神山温泉チケット1枚+朝食付き)

住所:〒771-3311 徳島県名西郡神山町神領字西野間240番地

 

◎ホテル運営中は展覧会を無料で公開します。

日程:2月23日~3月3日

開場時間:10:00-16:00

※オンゴーイング公開(制作途中の見学)2月8日~2月22日は要相談していただければ可能です。

 

≪神山アートホテル≫

ホームページ(公開待機中):

神山アートホテルブログ:https://karthotel.exblog.jp

Instagram:https://www.instagram.com/kamiyama_art_hotel/

Facebook: 神山アートホテル(臨時営業)

https://www.facebook.com/%E7%A5%9E%E5%B1%B1%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E8%87%A8%E6%99%82%E5%96%B6%E6%A5%AD-2221288831215533/?modal=composer&notif_id=1546397367836177&notif_t=page_fan_growth_drop

Twitter:Art Autonomy Network #神山アートホテル

http://www.msn.com/ja-jp?devicegroup=downlevel.mobile&webslice=ieslice

 

≪問合せ先≫

神山アートホテル(KAHO)実行委員会

代表:嘉藤笑子(かとうえみこ)

〒208-0001東京都武蔵村山市中藤4-9-4

kotorismile@gmail.com 090-6023-3313

 

≪徳島県神山町について>

徳島県神山町は、古事記にも登場する“オオゲツヒメ”を守護とする日本の原点ともいえる神の里になります。また、神山町神領にある上一宮大粟神社は、728年(神亀5年)に聖武天皇の勅願所となり、1185年(元歴2年)には正一位の神階を授けられている「式内社(延喜式内社)」であります。こうした由緒ある古社を抱く神聖な地域であり、それに相応しい奥深い自然のなかに位置する山郷です。それと同時に“オフナトサン”と呼ばれる土俗的信仰も根付いています。鮎喰川で転がる石が丸石となり、それをまちの生活空間や屋外の窪みに祀っていくものです。町内には700件以上も存在し、多くは近世以前に備わった民族的儀礼といえるものです。

最近では、地方創生のトップランナーとして移住者支援やサテライトオフィスなどの新規事業などで注目されている過疎地域でもあります。その手腕は、まちづくり関係者から一目置かれているといえるでしょう。ただし、神山が、まちづくりの先駆者だけというのではなく、アートによる地方創生を実践している点が挙げられます。その始まりは<神山アーティスト・イン・レジデンス>という滞在型アートプロジェクトの功績が大きいと言えるでしょう。すでに20年を超える本事業は、継続的に世界で活躍するアーティストを招聘して作品を町内に蓄積しています。したがって、神山のアフォリズムともいえる「アートの神山」、「世界の神山」は、地域主導型の草の根事業の成果ということになります。こうした先駆的事例を持つ神山町のなかで、「神山アートホテル」はひとつの実験ということになるかもしれません。しかしながら、美大生だからこそ可能なエネルギッシュでチャレンジな、そしてどこにもない新鮮なアートプロジェクトになると考えます。ぜひとも、「神山アートホテル」にご宿泊願います。

 

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